ステンレス豆知識Stainless Steel Trivia
ステンレスそのものに関するご相談もよく頂いておりますので、その中で一部抜粋してご紹介致します。
※弊社製品に関するご質問はよくあるご質問に掲載しております。
SUS304に代わるステンレスの材料は?
新日鉄住金(NSSC)の「R2120」という材料があります。これは、二相鋼でオースナイト相とフェライト相からなっています。クロム21%、ニッケル2%の含有でSUS304と比較しても、価格も安く強度は2倍ほど高く、耐食性に優れており、SUS316と同等の塩害に強いタイプと言われています。今後、水門・タンク類あるいはダム等で使用されていきそうです。
SUS304の配管(湧水を汲み出すための装置)に於いて、管の中が浸食され溶けたような状態になったのは? (温泉旅館様より)
通常温泉水とか山水の場合、ミネラルを含んだ硬水が多い為、通常のSUS304では厳しい状況となります。モリブデン(Mo)が入ったSUS316以上でないと、長期的にみた場合、腐食性に難を生じます。
電気釜の本体に帯状のライン(SUS430#)を使用していますが、錆が発生するので困っています。 不導体処理はできないでしょうか?(電気釜製造メーカー様より)
SUS430#に不導体処理を施しても、常時すれたり、こすったりする場所はあまり効果が得られません。何ミクロン単位の被膜ですので、どうしても長期防錆とするのであれば、テフロン加工等の処理が望ましいと思われます。
ソースの貯蔵タンクとして現在SUS316Nを使用していますが、腐食が早い為困っています。 鋼種は何がよいでしょうか?(食品メーカー様より)
ソースは青カビの一種で通常のステンレスではもちません。どうしても使用したい場合は鋼種SUS317J1を使用するとよいと思われます。(モリブデンの含有率が高い5%含)尚、ソースの成分、温度等のデータを提出してステンレスメーカーに事前に打診するのも一つの方法です。(暴露実験を行ってくれます)
電気分解(スケーラー)を使用すると、ステンレスがシミになることがあります。よい方法はないでしょうか?
ステンレス本体の温度は90℃~110℃が最も焼け取りに適した温度です。この範囲で行えば一切のシミになることはありません。但し、直後に水洗いを十分にして下さい。
どんなステンレスを使用しても、周期的に錆が発生し大変困っています。何かよい方法はないですか?(水産加工機械メーカー様より)
通常オースナイト系 304→316→316Nというふうに鋼種の選択をしますが、何も処理せずに材質を決めるのならば、SUS329J3LやSUS329J4L等があり、業界ではアール4と呼ばれる種類ですが、コストも関係しますので、問屋さんに交渉されるとよいと思われます。ステンレスは比較的酸系には強く塩素系又は塩基(塩)には弱いようです。通常、316に透明クリアを塗布することによって長期間防錆されます。(弊社にはSUSガードという製品が御座います)
最近、ステンレス材料が高いと思われます。材料の値段はどうやって決めているのですか? また、他の材料を代替に出来ないですか?
基本的にはイギリスのロンドンLMEを参考に、ほぼ一律・先物で決めているようです。例えばニッケル(Ni)が高騰したとか!クロム(Cr)が少ないとか理由を付けているようです。本来、国内に於いては、クロム・ニッケルの含有量が多い、オースナイト系(304#等)を筆頭にフェライト系、その他という順番があります。
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